分析とは何をすることなのか?
分析とは何をすることなのか?
皆さんは「分析」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
「数字を扱う」「難しい計算をする」「現状を整理する」「答えを出す」などさまざまなイメージがあると思います。
さてビジネスにおける分析とは何をすることなのか説明していきたいと思います。
(1-1)分析をするときに最初にすること
分析をするためには、ふたつのことを明確にしなければなりません。
ひとつが「分析対象」が何かを明確にすること、もうひとつが「分析の目的」です。例えば、サイト集客数の分析をしたいのなら確認するのはPV数なのかセッション数なのかを決めます。
これが分析対象です。どれだけ多く閲覧されたかであればPV数、どれだけ多く訪問されたかであればセッション数を分析対象にするといいでしょう。
ここでセッション数を分析するとしたなら、次は分析の目的を決めます。
SEOからのオーガニックが増えているかを確認したければ、流入経路別でセッション数をわければ分析になります。どの時期にセッション数が増えるのかを確認したければ、時系列でセッション数の推移をならべれば分析になります。
このように、分析対象と分析の目的が明確になれば、あとは計算するだけです。分析することの半分は、「何をどのように見るか」を決めることになります。
(1-2)何をどのように見るか?
分析した結果を評価するにはモノサシが必要です。
言い換えれば、分析した結果の数字がどういう状態なのか評価する指標や基準が必要となるのです。このモノサシも、ふたつに分けられます。
ひとつが「絶対評価」、もうひとつが「相対評価」です。
絶対評価がある場合には分析は簡単です。あらかじめ決めていた指標で評価するだけです。この場合の指標というのは事前に用意されているものがほとんどです。
「一日のサイト訪問者数1000人未満 = 要改善」という基準があれば、分析結果が999の場合は要改善という答えが出てきます。
このように分析結果から答えを出すのが指標や基準となります。これは表現を変えて「計画」や「予算」や「目標」とも呼ばれますが、分析結果の数字を評価する物差しという点で同じ役割になります。
相対評価はすこしだけ複雑になります。モノサシをつくるところから始めなければならないからです。モノサシをつくるためには分析対象をできるだけ多く集めます。
そしてデータ全体像から傾向を把握します。たとえば何曜日が集客できるのかをセッション数で分析したいのなら、まず全てのデータを曜日別にわけてグループを作ります。
それぞれの合計を比べれば1位~7位の順位がつくでしょう。順位をモノサシにすれば集客できる曜日の判断ができます。順位ではなく比率をモノサシにすることもできます。仮に1週間合計7,000人の集客があるなら1日平均1,000人、このとき月曜日に700人しか集客がなければ要改善と評価することができます。
(1-3)分析の評価と考え方
絶対評価と相対評価での「評価」についての考え方は大きく違います。
絶対評価であればモノサシにあてはめて結果を評価します。 モノサシを取り換えなければ、同じ基準で評価ができるはずです。分析結果が良い評価の場合は、モノサシを作った時のデータを基準に比べて望ましいと状況であるといえます。
この考え方が、「計画」「予算」「目標」といったモノサシに応用されています。逆に「計画」「予算」「目標」がどのようなモノサシで作られているかで、それぞれの実現性を測ることができます。
相対評価は少し複雑です。
相対評価の結果は「現状の可視化」でしかありません。そのため最初に「分析の目的が正しく求められる分析対象なのか」という判断が必要です。具体的には「正しく判断できる情報でモノサシが作れる」「正しく判断できる情報でモノサシが作れない」「正しく判断できない情報なので分析結果を信用しない」という3つの判断ができます。
「ただしく判断できない情報を使用する」、「むりやりにモノサシを決めてしまう」などをすると、望まぬ結果に誘導してしまうことが少なくありません。評価ができないときには、情報が足りないという結論を出すのが望ましい判断です。
(まとめ)
分析とは「分析対象を数字で表現し整理する」「モノサシで評価する」、そしてモノサシがないときには「分析対象の傾向や差分からモノサシを作る」ことです。これは単純な分析でも機械学習のような分析でも同じです。
そして計算した結果以外に「今の情報では分析できない」という判断があることを覚えておいてください。